マンションやビル、ショッピングセンターなどで当たり前のように
乗っているエレベーターだけど、9割は非常用エレベーターではない。
では
非常用エレベーターとはどのようなものなのか?
また、どんな建物に設置しないとイケないのか?
という疑問について今回はお伝えする。
まず
非常用エレベーターと普通のエレベーターの一番の違いは、
火災などの消火活動などの作業時に使用することを想定するか?
という事が大きな違いである。
つまり
消火活動などでエレベーターの使用を想定して設置されたものが
「非常用エレベーター」であり、その他のものは普通のエレベーターとなる。
だから
非常用エレベーターの設置基準としては、建築基準法 第34条第二項に
高さ31mをこえる建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならない。
と定められている。(昇降機とはエレベーターのこと)
ここで
あなたは31m以下の建物であればどのように消火活動をしているか?
という疑問が湧いたかもしれないが、実際には階段を駆け上がって
消火活動をしているのだ。
実際に
建物の消防検査の時に、消防隊の人たちが来ることがあるけど、
階段を軽やかに、かけ上がっていくのを見て
「スゲ~!やっぱり訓練している人は違う」
と思わず感心をしてしまった記憶があるよ。
しかし
超高層マンションなど100mを超えるものもある中で、
最上階まで階段をかけあがれ!というのは困難なので
エレベーターを非常時に使用することになっている。
だから
非常時にも使える仕様ということで、かなり要求事項がある。
建築基準法施行令 第129条の13の3を見てみよう。
(前略)
第七項 非常用エレベーターには、かごを呼び戻す装置(各階の乗降ロビー及び非常用エレベーターのかご内に設けられた通常の制御装置の機能を停止させ、かごを避難階又はその直上階若しくは直下階に呼び戻す装置をいう。)を設け、かつ、当該装置の作動は、避難階又はその直上階若しくは直下階の乗降ロビー及び中央管理室において行うことができるものとしなければならない。第八項 非常用エレベーターには、かご内と中央管理室とを連絡する電話装置を設けなければならない。
第九項 非常用エレベーターには、第129条の8第二項第2号及び第129条の10第三項第2号に掲げる装置の機能を停止させ、かごの戸を開いたままかごを昇降させることができる装置を設けなければならない。
(後略)
まあ、難しい事が書いてあるので内容を理解する必要はないと感じるが、
結局は「要求が高いと費用が余分にかかる」ので、販売価格が高くなる。
という事を言いたかっただけだからね。
高層のマンションのエレベーターは「コストの高いエレベーター」を
設置する必要があるんだな。と分かって頂ける事で十分だよ。
つまり
非常用エレベーターとは31mより高い建物には設置を
義務付けられている火災時などの消火活動に使用する為の
エレベーターであり、通常のエレベーターより広さや
電源、エレベーターホールの大きさ、仕様など様々な
制限がある。
更に
費用も当然ながら、普通のエレベーターより高いので
マンションの販売価格に若干ながらでも反映されるはず。
えっ?
私の住んでいるマンションは14階建てで40m位あるけど
非常用エレベーターついていない!だって?
その秘密はまた今度お伝えする予定だよ。
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