マンションの渡り廊下が地震で崩壊したのは何が問題か?

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マンションの渡り廊下が崩壊しています。
とTVのニュースでやっていたの見た。

 

ニュースの一例

しかし

私は報道の仕方に少しの疑問を感じたために
敢えて今回は記事にさせてもらった。

 

実は

私が疑問に感じた点は「何が問題か?」を分からずに
建築業界では無い人に伝えてしまうと、「誤解」を招くのでは
ないのかという懸念である。

 

それは

地震がおこると、渡り廊下の崩壊の報道で登場した部分には
「壊れて当然」の部分が含まれているから。

expjoint

 

上記画像の「エキスパンションジョイント」と呼ばれる部分は
エキスパンションジョイントを挟んで2つの建物を動きを
「吸収」するために設置されているので、地震時は自らが
破損して大きな被害を吸収するのである。

 

だから

地震時の報道で、エキスパンションジョイントの部分が
崩壊していたとしても全く「想定内」の出来事であるということ。

 

しかし

今回の報道の動画では、エキスパンションジョイント以外の
壁も崩壊しているのだが、「問題」がそこに含まれている可能性はある。

 

それは

地震によって変形する幅をどのくらいで設定していたのか?
ということである。通常は建物の構造を計算する場合に
「建物の変形幅」を算出し、その変形に耐えうるように「クリアランス」
を設定して、エキスパンションジョイントを設置する。

 

でも

地震のあまり起きない地域であれば、エキスパンションジョイントの幅が
大きくなると「見た目」と「コスト」が掛かるので、「手摺が壊れても良い」
という設定で、幅を狭くしているのであれば報道で有るような状態になる
可能性は十分に考えられる。

 

更に

想定している揺れ以上の地震波が来たため、「想定外」で崩壊した。
という可能性があるので、現時点では原因は分からないと感じる。

 

だけど

ニュースを見たうえでは、エキスパンションジョイントを挟んだ
2つの建物は大丈夫そうに見えるし、そもそも渡り廊下は
「構造上の主要な部分ではない」から、壊れても建物が倒壊する
危険性は極めて低いと感じる。

 

実は

この記事を書いた本当の理由は、「建築業界では常識」なことを
「ただ見た目が派手に壊れていて報道のネタ」になりやすかった
という理由だけで、なぜ壊れているのかを「専門家」に確認せずに、
報道する時に、「説明なし」で報道することによって、

 

余計な不安をあおるだけではないのか?
と私が強く感じたから。

 

「ちょっとは確認してよ」

と感じたから。

 

つまり

マンションの渡り廊下が地震で崩壊したのは、
金物部分はエキスパンションジョイントという建物の動きを吸収する
ために設置されているので、壊れても「正常」である。

 

渡り廊下自体の崩壊については、マンションの構造計算をする上で
建物の変形する大きさを設定しているため、設定している幅を
超えて変形をしていれば「想定外」になると感じる。

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