新築マンションの検査の手直しを行うと
新しい指摘項目が増える?
でも
手直しをしているんでしょ?
手直しをするということは指摘項目が減るはずだよね?
確かに
指摘された項目はなくなる。
しかし
往々にして、「新しい指摘項目」が増える場合がある。
例えば
「リビングの入り口ドアの枠の傷」
という指摘項目があるとする。
ドアの枠の傷を直す専門の職人さんがやって来て
「ドアの枠の傷」の修理を行う。
当然、「ドアの枠の傷」は直る。
しかし
直す時に、自分の工具が
「自分でも気づかないうちに」
直すべき所の周辺のクロスに当たることがある。
しかも
クロスは傷つきやすいので、
ちょっとした工具との接触でも、
自分で「当たった」と意識していない程度でも
傷がついてしまうことがある。
更に
「ドアの枠の傷」を直す職人さんと、
「クロスの傷」を直す職人さんは違う。
だから、自分の専門でないとわからないこともあるのだ。
こうして
新しい指摘事項が1つ発生してしまう。
というのも
一般的に、マンションが出来上がるまでに、
最初から最後までで30種類くらいの職人さんが来る。
その、30種類くらいの職人さんが1種類でも欠けると
マンションは完成しない。
だから
1つ1つの職種が専門性が非常に強いために、
自分の専門以外はわからないこともあるのだ。
そして
その30種類くらいの専門性を持った人達を
まとめて、順番に仕事をしてもらう段取りを組んでいくのが
現場監督である私の仕事の1つである。
では
なぜ、「新しい指摘事項が増える」ということが起こるか?
については、建物を作るのと、車などを作るのと
根本的に違う点がある。
ここからは、もしかしたら少し言い訳かもしれないね。
でも、知っておいて欲しいこと。
まず
「建物」と「車」を作る上で最も違う点は何か?
というと、
建物は、納品する場所で作ることに対して
車は工場で作ってから納品するということ。
もしかして
あなたは、当たり前と思うかもしてない。
だって
建物を工場で作って、車で運んでいるのなんて
見たこと無いもんね。
普通の住宅だったら、ある程度工場で作って
現場で組み立てるだけでOK。ということもあるけど
マンションはまず無理。
だから
工場の、雨風当たらない屋内での管理された環境で製作できて
かつ、ロボットなどで組み立てるから精度も格段に良い。
しかし
マンションをはじめとする大きな建築物を違う。
ぶっ倒れそうな熱い日も、
凍えてしまいそうな寒い日も、
カンカン照りの日も、
土砂降りの雨の日も。
毎日毎日、工場などに比べて決して環境がいいとはいえない
現場で、職人さんが「人間の手」で作っているのだ。
だから
工場などに比べて、圧倒的に「人間」に品質が左右される。
そして、「人間」だから、「無意識につけてしまった傷」に対して
気づかないということが起こってしまうのだ。
つまり
新しい指摘事項が増える理由は、
建物が限りなく「人間の手」によって作られているから。
更に
「新しい指摘事項」をチェックして、更に手直しするのも
「人間」である私たち「現場監督」である。
人間が作る上で、知ってもらいたいことについては
次回お伝えするよ。
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