地震で壊れても耐力上問題ない壁があるの?【耐力壁と非耐力壁】

 

地震の報道を見ているとマンションの開放廊下側の
壁が壊れている映像を見かけた。

以前の東日本大震災やそれ以前の大地震でも
見受けられる映像ではあったのだか、
ふと感じることが2つ湧いてきたので
今回は地震とマンションの壁についてお伝えする。

 

まず

マンションのコンクリートの壁には2種類あって、
地震などの揺れに対して耐力を発揮する「耐力壁」と
全く構造的には影響しない「非耐力壁(雑壁)」がある。

 

つまり

簡単に言うと、マンション全体の構造上において、
地震で壊れても良い壁とダメな壁があると言うこと。

 

しかし

素人がパッと見ただけでは、壊れている壁が
マンションの構造上、壊れても問題ない壁かどうか?

なんて分からないと感じる。

 

だから

一般的に多いパターンを1つお伝えしておく。

 

なぜなら

今からお伝えすることで、マンションの7割以上は
当てはまると感じているから。

 

それは

戸境壁は地震における耐力上有効な「耐力壁」であることが多く、
逆に、廊下側の壁やバルコニー側の壁は地震力を負担しない
「非耐力壁」が多い。

 

だから

廊下側や、バルコニー側の壁が壊れたからといって
「マンションが倒壊するのでは?」という事はほぼ無い。

 

でも

きっと、この記事を読んでいるあなたが感じていることは

地震でも壊れないのが一番良いよね。

かも知れないね。

 

そして

私が冒頭に感じた2つの事のもう1つは
「復旧の大変さ」である。

 

つまり

少しのヒビ割れであれば、ヒビを補修するだけで済むけど
一定以上壊れてしまったら、一度壁を作りなおさなければ
イケないような状態になるということ。

 

だから

一度コンクリートを壊して、鉄筋を組んで
型枠を建てて、コンクリートを再度流し込むのを
壊れた壁だけ行うのはかなりの手間と時間が発生する。

 

その間に

どこか仮住まいを考えないといけないから、
費用も時間もかなり費やすことになる。

 

でも

どこか「壊れても良い部分」をあらかじめ作っているから
建物全体が壊れないということをしっかりと覚えておいて欲しいな。

 

つまり

マンションの壁には、地震上の耐力を負担する「耐力壁」と
構造上の負担をしない「非耐力壁(雑壁)」がある。

 

だから

一概に地震でマンションの壁が壊れても
問題あるのか?無いのか?は判断できない。

 

ただ

マンションの場合であると、戸境の壁が耐力壁で
それ以外の壁は非耐力壁であることが多いので
1つの目安にしてみては如何だろうか?

 

更に

マンションの構造についてはこちらでも
解説しているので合わせて読むと効果的だよ。

↓  ↓  ↓

マンションの構造を知ろう【ラーメン構造と壁式構造】