マンションの設計変更で車いす対応する場合の7つの注意点(1)

 

マンションを車いす対応にする事は可能か?
という記事を前回お伝えした。

 

そこで

今回は、具体的に設計変更時に考慮すべき注意点を、
7つに絞ってお伝えする。

 

まず1つ目は

廊下の幅。
当然ながら、車いすが快適に廊下を通らないと全てが始まらない。
その為の廊下の幅は、最低でも80cm以上だけど、120cm位あれば
全く文句は無く理想的である。

そこで大切なのは、全ての突起物を除いた「有効寸法が80cm以上」
であることが重要。一見80cm以上確保されている様に見えても、
実際は、扉を開いた状態では80cm以上確保されていなかったりする。

 

だから

設計する最初の時点での打合せが非常に大切。

 

 

2つ目は

車いすを回転させるには直径150cm以上の円に囲まれた
エリアが必要であるということ。

 

つまり

車いすをどこで方向転換させるか?

という動線計画を考えないといけない。

 

例えば

廊下に関しては、途中で方向転換は無理なので
リビングまで移動してから、回転をして方法を変えて貰う。

玄関先まで行ってしまうと、忘れ物をした時に方向転換が
出来ないから、玄関先に回転できるスペースを作ろう。

などと計画すると効果的。

 

なぜなら

車いすでまっすぐバックするって結構難しいからね。
だから、出来るだけ前進できるように計画しよう。

 

 

3つ目は

玄関の上がり框の段差の解消方法についてである。
一般的に、マンションの玄関の床は石やタイルで出来ており
廊下とは若干の段差があり、その段差のところにある石などの
素材で出来ている10cmくらいの幅の部分を「上がり框」という。

普通に歩いて通行するなら、またいで全く問題の無い段差
であるが、車いすでの通行の場合は支障が出てくる。

 

そこで

玄関と廊下の段差をスロープでつないでしまうと
段差が解消されるため車いすで通行がしやすい。

 

 

4つ目は

ドアを引き戸に変更すること。

 

なぜなら

開き戸であれば、出入りする時に扉の取手を持ちながら
前後に移動をしないと扉を開くことが出来ない。

 

更に

扉を閉める時にも同じ動作をしなければいけないので
ダブルで移動が必要になる。

 

しかし

ドアを引き戸に変更することにより、扉の開閉時の移動を
一切しなくても扉の開閉が出来るのだ。

公共施設などに有る「多目的トイレ」の扉が全て引き戸
であるのも、先ほどと同じ理由。

 

でも

実際に全ての扉を引き戸にするのは非常に難しい。
特に、「トイレの扉」と、「リビングの入り口の扉」の2つは
全体的な部屋の配置と扉の位置をよく考えないと
引き戸を配置することが出来ない。

 

なぜなら

引き戸には、「戸袋」と呼ばれる扉を開いた時に扉を収めるスペースが、
必要になるからである。つまり、扉2枚分のスペースを考えて扉を
配置しないといけないから。

 

更に

リビングの扉に関しては、廊下が真っ直ぐな部屋のプランの場合では、
他の扉が廊下の長手の方向に設置されているのに対して、
リビングの入り口の扉だけが、90度横に向いて設置されている。

 

そして

リビングの扉の戸袋部分が、リビングの入り口付近に和室や
キッチンがあると非常に設置することが難しい場合がある。

 

つまり

扉を引き戸にすることで、部屋全体のレイアウトや扉の位置の
変更をする必要が有るということ。

 

ここで、突然ですが

文章が長くなりすぎるので、続きは明日にします。