マンションの設計変更で車いす対応する場合の7つの注意点(2)

 

マンションを車いす対応にする場合の注意点を前回の記事で4つお伝えした。

1.廊下の幅を最低80cm以上、理想は120cm以上
2.回転するには150cm以上の円形のスペースが必要
3.玄関の框の段差はスロープにすることも可能
4.ドアは引き戸に変更

である。

 

本日は続きをお伝えする。

 

5つ目は

洗面台も車いす対応型にする必要があるか?
ということ。

トイレや洗面台に関しては比較的スペースが狭い為、
部屋の中で車いすが回転できる直径150cm以上のスペースを
確保することが難しい場合もあるので、車いすを使用される人の
状態を考えながら設計をしていただけば良いと感じる。

 

しかし

車いすでも、椅子でも座って洗面台を使用する場合は、
一般的にマンションで備わっている洗面化粧台では、
使用するには難しいということ。

足を収納するスペースが有るか?

洗面台が手前に出っ張っているか?

どちらか出ないと、顔を洗う時に膝の上が濡れてしまう
可能性が高いからである。

 

だから

洗面化粧台をどのように使用するか?を想像して、
座って使用するのであれば、車いす対応型の洗面台に
変更することをオススメする。

 

 

6つ目は

床材の変更は安易には出来ないということ。

 

なぜなら

マンションの床に関しては、遮音等級と呼ばれる下階に
音が伝わりにくい素材のフローリングを使用されている
ことがあるから。

 

それを

あなたの都合だけで変更をすると、あなたは満足するかも
しれないが、あなたの下階の人には迷惑であったりする。

 

だから

フローリングの上を車いすのタイヤが通るので

・フローリングの上に何かを敷くなどして保護するか?
・そのまま使用するか?
・等級に応じた他の床材を推薦してもらうか?

をあらかじめ検討しておくと効果的。

 

 

最後に

水回りをどこまで変更して、どこで妥協できるか?
ということである。先程からの話でも洋室やリビング内の話は
ほとんど出てこないのはお気づきであると感じる。

トイレ、洗面所は本来は狭いスペースで使用するものを
出来るだけ多くの面積を必要にする変更の必要があるが、
マンションによって条件は様々であるし、地域性もあり
水回りの位置や大きさの変更が出来ない場合も当然有る。

 

そこで

どれだけの事が出来て、どこで妥協が出来るかを、
それぞれの項目について検討することは非常に大事。

 

もしも

戸建て住宅で自由に設計できるのであれば、
100%満足行くプランに鳴るかもしれないが、
マンションの場合は、あらかじめ標準プランを設計して
あるので100%にはならないと認識すべき。

マンションの設計変更には限界が有るということ。

 

つまり

マンションを設計変更で車いす対応に変更する場合の注意点とは、

1.廊下の幅を最低80cm以上、理想は120cm以上
2.回転するには150cm以上の円形のスペースが必要
3.玄関の框の段差はスロープにすることも可能
4.ドアは引き戸に変更
5.洗面台なども、車いす対応型に変更
6.床材の変更は、遮音性の確認が必要
7.水まわりのプラン変更がどの位対応できるか確認が必要

などがあげられる。

 

もちろん他にも注意点は有るかもしれないが、
まずは、この7つをクリアー出来るか?
販売会社に問い合わせをしてみようね。

 

更に

エントランスの段差や、エレベーターについても、
合わせて確認しておくと非常に効果的だよ。

 

更に更に

手摺に関しては、こちらの記事がオススメ。

↓  ↓  ↓

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