大規模修繕の費用を抑えるための建設会社との責任の分界点とは?

 

大規模修繕に時期になって修繕積立金が足りない。

実は、そんな話をちらほら他のマンションの居住者から
実際に耳にすることがある。

 

「えっ、そうなの?」

と感じたあなたへ

 

では

なぜ修繕積立金が足らなくなるのか?
大規模修繕の費用を抑えることは出来ないのか?

についてお伝えしていく。

 

まず

なぜ修繕積立金が足らなくなるのか?

については、
当初の見込み以上に費用がかかるから、
もしくは、当初の見込みより早く劣化が進むから。
の2点があげられるだろう。

 

つまり

思った以上に、建物の劣化が早いということ。

 

なぜなら

建物を実際に建てる人間である私から言わせて頂くと、
建物の品質がそこまで良くなかったから。

 

では

「手抜き工事」か?と言われると、一概にそうとは言えない。

 

例えば

外壁のクラック(ヒビ割れ)を例に取ると
実は、コンクリートというものは有る一定の年数は
「収縮」をしている。つまり、縮んでいるのだ。

感覚的に信じられないかもしれないが
コンクリートを作った時の水分が少しずつ蒸発して
その、「なくなった水分」の分だけ縮むのだ。

 

つまり

全てのコンクリートの建物は「クラック」という
リスクを負っている。

 

そこで

建物を作る私たちは、縮むのは防ぎようがないので
「クラックがきそうな所をあえて作って
不具合が生じないように処理をする」のだ。
これを「クラックを誘発させる」というのだけど、

少し専門的になって申し訳ないが
その「誘発」できる確率は、100%ではない。

 

だから

どんだけ、頑張っても「狙った所に来ない」
ということもある。

私は、こうして検討した結果、上手く行かないのは
「手抜き」とは呼ばないことにしている。

 

問題は

「知識としてあっても、やっていない」ということ。
「分からなかった」ではなくて、「やっていなかった」。

「やっていなかった」ことにより、クラックが助長して
タイルが剥がれ落ちたりしたりすると、更に安全性の問題も出てくる。

タイルが剥がれ落ちたりすると、補修するにも多額の費用がかかる。

だから、「建設会社の責任」について検討しても良いのでは無いのか?
と感じる。

 

だけど

瑕疵補修期間というのは、重大な欠陥で10年間。
だから、その期間が来る前に、不具合が目立ってきたら
建物診断をしてもらって、「責任の所在を明らかにする」
ことはおすすめする。

 

しかし

殆どの瑕疵補修期間は2年間であるため、
「建設会社が道義的責任」を感じないと
難しいかもしれない。

 

では

どんな会社が、「道義的責任」を感じてくれやすいのか?

という問題だけど、品質を「会社のプライド」として
商売をしている「一定規模以上の全国区のゼネコン」
などは、私の勤めている会社も含めて話をする価値がある。

建設会社のプライドで補修するには、会社の耐力が不可欠だからね。
そして、建設会社の責任で補修を行えば、あなたたちの大切な
修繕積立金を使わなくても良くなるよ。

 

つまり

大規模修繕の費用を抑えるための建設会社との責任の分界点とは
基本的には、瑕疵補修期間であるが躯体上の重大な欠陥の
保証期間である10年を目処に、建物点検を行うことで
タイルの施工上の問題による浮き。などは建設会社の社会的責任を
問うことが出来る場合がある。

内容は、ケース・バイ・ケースなのではっきり言って一概には言えないが、
無理に建設会社に責任を押し付けることは出来ないが、
逆に、施工上の問題を無理に押し付けられる必要もない。

 

更に

どのような会社なら、誠意ある態度を取ってくれるのか?
についてはこちらの記事も合わせて読んで欲しい。

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