鉄筋コンクリート造のマンションって聞くと
全ての壁や柱がコンクリートで出来ているって
普通は思うよね。
でも
出来上がってみるとあまり気づかないかもしれないけど
一部の壁にコンクリートではなくALCと呼ばれる材料が
使用されていることがある。
まず
ALCとは、“Autoclaved Lightweight aerated Concrete”
(高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)の
頭文字をとって名付けられた材料を板状に成型したものである。
簡単に言うと、コンクリートに比べてもろいけど軽いパネルのこと。
ちなみに、実際の工事中の様子はこんな感じ。
でも
別に、コンクリートを使用していないからといって
手抜きをしているわけではないので注意をして欲しい。
そして
ALCパネルを使用している部分は、大抵の場合は
廊下側の壁やバルコニー側の壁に使用をしていることが多い。
実際に、先程の廊下やバルコニー側の壁は建物の全体の
地震などに耐えれるかという計算をする上で、対象にならない
場合が多いからである。
つまり
地震が起きても柱や梁のように、地震力に対抗する部分以外に
使われているのである。
では
なぜ、ALCパネルを使うかというと幾つかの理由をあげると
1.建物自体の重量が軽くなるため
2.構造計算が単純になるため
3.地震時の追従性能がよい
4.もしも損傷してもコンクリートの壁より復旧が楽
というメリットが有るのだけど、
一番大きい原因は、1.と2.の
「建物全体の重量が軽く、構造計算が単純になるため」
である。
具体的には
建物全体の重さが軽くなると、柱は梁に掛かる負担が減るよね。
そうなると、柱や梁の大きさや鉄筋の量も減るから、
当然あなたの販売価格にも反映される。
そして
構造計算が単純になるということは、マンションを建設する為の
申請がスケジュール通りに進むのである。
以前の「姉歯事件」から、建物を建てるまでの審査に時間が
掛かってしまっているから、単純にして審査を通りやすくしている
という狙いもある。
だから
いろんな建物形状によっても、マンションのデベロッパーによっても
様々な戦略のもとにALCパネルを採用しているのである。
つまり
鉄筋コンクリート造のマンションの廊下側やバルコニー側の壁には
ALCと呼ばれる部材が使用されることがある。
なぜなら
・建物自体の重量が軽くなるため
・構造計算が単純になるため
・地震時の追従性能がよい
・もしも損傷してもコンクリートの壁より復旧が楽
というメリットがある。
だけど
コンクリートを使用してないからといって
特に問題が有るわけではないよ。
マンションを作る側の考え方の違いだけだからね。
あっ
耐力壁と非耐力壁についてはこちらでも
解説しているので合わせて読むと効果的だよ。
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