新築マンションのような建物は
職人さんが1つ1つ「人間の手」で作り上げている。
と前回の記事でお伝えした。
「人間の手」で建物を作っていくうえで
かかせないのが、「施工誤差」。
つまり、人間の手で作った場合どのくらいの
「誤差」までが許されるのか?
という話である。
まず
私は過去に内覧会でお客さんに
「建物なんて、1mmも狂わずに建っているんでしょ?
なんで、こんな指摘事項が出てくるの?」
と何度となく言われた事があった。
しかも、強い口調で言われると
「そんなに、精度よくなんて出来ないよ~」
と、心の中で叫びたくなる。
だって、人間の手で作っているんだからさ~。
あるよ。そのくらいの「誤差」。
これが
私の本音。
でも、私だけじゃないよ。
実は、「公共建築工事標準仕様書」という公共工事を
するときの教科書みたな本があるんだけど
その教科書的な本にも、きちんと記載されている。
例えば
床のコンクリートの平坦さは、
一番良いレベルで「3mで7mm以内」とか、
決まっているのだ。
しかし
実際に、お客さんに言われるレベルは
この「3mで7mm以内」の基準はクリアーしているけど
それ以上を求められることがほとんど。
だから
だって、人間の手で作っているんだからさ~。
あるよ。そのくらいの「誤差」。
あなただって、料理で千切りするとき
全て同じ太さに切れる訳では無いでしょ?
ある意味一緒ですよ~。
と言いたくなってしまう。
でも
人間の目は不思議なもので
見方によっては、すぐ分かったり、
全然気づかなかったりする。
例えば
壁が5mm倒れているとする。
下記の画像は、同じ形を並べたものである。
緑の図形は、少し傾いている。
青の図形は、まっすぐである。
では、どの組み合わせが一番気づきやすいか?
と言うと、圧倒的に1番左の組み合わせだよね。
緑と青の下側がくっついていて、上の方に行くと
だんだん離れていく。
明らかに、どちらかが傾いている状態。
しかし
だんだん、右側の組み合わせに行けば行くほど
傾いているのか?
傾いていたとしてもどちらが傾いているのか?
分からなくなっちゃう。
だから
もし、あなたがチェックする時は2つの物が
くっついていたり、並んでいる時に比較すると
非常に分かりやすい。
1つ1つを単独で見ると
まっすぐ立っているかどうかは分かりにくいのだ。
少し話が脱線してしまった。
つまり
建築物を建てるにあたって必ずあるのが「施工誤差」。
あなたが実際に内覧会でチェックした時も、
頭の片隅に置いていただくと非常に嬉しい言葉。
なぜなら
人間の手で、1つ1つ作っているから。
機械が「ウィーン、ガチャン」と
自動的に取り付けている訳では無いから。
では
プロはどのようにして気づくか?
機械を使って判断しない時は
「ん?」
「あれ?」
「何かおかしいぞ」
と言う感覚の場合が私は多い。
その時は、たいてい何かがおかしいよ。
結構、人間の目も慣れてくると気づくもんだな~。
と我ながら感心するときもある。
更に
こちらでは、部屋別に解説しているので
内覧会に行く前には、目を通しておくだけでも効果的だよ。
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